化け猫のイメージとして「行灯の油を舐める」というものがある。江戸時代には、煤の少ない菜種油は高価であり、行灯の燃料として安価な魚の油が使われていた。猫がもちろん魚が大好きから、行灯の油を舐めることが多い。招き猫
「招き猫」とは縁起物として、古来よりお金や人を招いてくれるという。
右手上げの招き猫は、「金運を招く」とされ、「家内安全」「商売繁盛」と思われる。
左手上げの招き猫は、「人を招く」とされていて、「千客万来」「商売繁盛」と思われる。
妖怪動物は人を騙し、病気にさせて、また姿を変えて化けると考えられている。妖怪動物に関する伝説や昔話は私の修士論文の基本です。
玉藻前は九尾の狐に化けた美人だった。彼女は二十歳の若い女でありながら、大きな知識と美しい顔をもって、天下一の美女とも、皆と謳われた。彼女は中国から日本に渡ってきて、後鳥羽天皇の宮廷に住んだが、彼女の九尾の狐の正体を現して、逃げて、末に殺された。狐の魂は殺生石に姿を変えたと言われている。
ある男は妻の病気をなおすため、信太の森に行って、野狐の生き肝を得ようとする。近くに住んでいた安倍保名が、狩人に追われていた白狐を助けてやるが、その際にけがをしてしまう。そこに葛の葉という女性がやってきて、保名を介抱して家まで送りとどける。葛の葉が保名を見舞っているうち、いつしか二人は恋におちて、結婚して童子丸という子供をもうける。童子丸が5歳のとき、葛の葉の正体が保名に助けられた白狐であることが知れてしまう。だから、葛の葉は信太の森へと帰った。保名は恩返しのために葛の葉が人間世界に来たことを知り、童子丸とともに信太の森に行って、姿をあらわした葛の葉から水晶の玉と黄金の箱を受け取り、別れる。